埼玉県さいたま市の社会保険労務士

A1 法律上、休憩時間は「労働時間が6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は1時間」となっております。休憩時間の上限は定められておりませんが、あまり休憩時間が長くなると、拘束時間も長くなることとなり、あまり好ましいことではありません。トラック運転者の場合、「事業場外における仮眠時間を除く休憩時間は3時間を超えてはならない」との通達が出ております。例外的に事業場外における休憩時間が3時間を超えても差し支えない場合は、次の二つです。
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A2 事業場外みなし労働時間制は「事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす」というものです。会社から具体的な指示を受けず、直行直帰で訪問先を回る営業職等の外勤者を対象に導入される場合が多いです。確かに、トラック運転者の業務は事業場外で行うものでありますが、通常は走行キロ数、乗務日報等から労働時間の算定が可能ですので、事業場外みなし労働時間制の「労働時間を算定し難いとき」という要件には該当しないとされております。
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A3 法律上、「事業場外において行う労働であって、その労働者の実際の労働時間を算定し難い場合には、所定労働時間労働したものとみなす」とあります。あくまで「労働時間を算定し難い」場合に限られており、事業場外労働の全てについて「みなし労働時間制」の適用があるわけではありません。今の営業職員の場合、会社で携帯電話を貸与していたり、個人的に所持している携帯電話の電話番号を会社に伝えてあったりして、随時、会社と営業職員との間で連絡が取れる体制となっていることが多いです。会社が営業職員の行動予定表と携帯電話により、随時、営業職員へ指示を出しているのであれば、営業職員の行動を把握できています。このような場合、会社は営業職員の労働時間の算定が可能であり、事業場外みなし労働時間制の適用は厳しいと考えられます。
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A4 時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定)を結ぶ際、労使で合意した時間外労働の総枠が「労働時間の延長の限度等に関する基準」(以下「限度基準」といいます)で示されている限度時間を超えることはできません。限度基準では、原則として1ヵ月45時間、1年360時間などの上限を設定しております。
ただし、次の事業および業務は限度基準の適用が除外されております。
「自動車の運転の業務」については、限度基準は適用されませんが、時間外労働は「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」で定められている拘束時間の範囲内でしか行うことはできません。
例えば、ある会社のトラック運転者の勤務が、原則的な拘束時間1箇月293時間、1日の最大拘束時間16時間、所定労働時間1日8時間、休憩時間2時間、1箇月31日の月で所定休日は9日とした場合、
| 1日の最大延長時間 | = | 最大拘束時間 | - | (所定労働時間+休憩時間) |
|---|---|---|---|---|
| 6時間 | 16時間 | (8時間+2時間) |
| 1箇月の最大延長時間 | = | 1箇月の拘束時間 | - | (1箇月の法定労働時間+休憩時間) |
|---|---|---|---|---|
| 71.9時間 | 293時間 | (177.1時間+44時間) |
となります。
当然、旅客運送・貨物運送事業の会社の従業員であっても、人事・総務・経理員、運行管理者、自動車整備士、荷役作業員など「自動車の運転の業務」以外に就く者については、限度基準の規定が適用されます。
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A5 事務職であれば日中におしゃべりしていたり、営業職であれば外出時に喫茶店やネットカフェでさぼっていたりしていて、残業しなければ仕事が終わらなくなるというケースが見受けられます。そもそも残業は、今日中に完了させなければならない仕事がある等の業務上の必要性がある場合に、会社から業務命令として従業員へ指示するものです。従業員の個人的な判断で行うものではありません。
残業は上司の許可制(具体的な仕事の内容とそれに要する見込み時間等を従業員から届出をさせ、上司が残業の必要性の有無を判断する)とする必要があります。上司は勤務時間を過ぎても居残っている従業員へ帰宅するように命令してください。もし上司が従業員の居残りを黙認していると、会社が残業を認めたと判断される場合があります。また、本人の能力不足で残業となる場合、上司は仕事の進め方について厳しく指導し、本人に対して仕事を効率よくするよう意識させます。もし、上司の注意・指導にもかかわらず本人の姿勢が改まらないのであれば、昇給・昇格、賞与などを決める際に厳しく査定し、効率よく仕事をしている者の査定と差をつけてください。
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A6 季節や時期による繁閑の差がなく、かつ繁忙期が予測不能となりますと、変形労働時間制の導入は難しいかもしれません。いずれにしても、業務分担と人員配置を見直し、効率よく店舗の運営をする方法を模索し、それでも残業時間が減少しないということは、必要な人員が不足しているということです。将来的には、現在の店舗運営状況を改善していく必要があります。今の突発的な長時間残業が生じた場合の対応策としては、特別条項付の36協定を結んでおくことです。これによって、宴会が集中した場合等の一時的・突発的な事態が生じた際に、限度時間を超えて残業をさせることが可能となります。ただし、特別条項を発動した状態が1年の半分を超えることはできません。
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A7 変形労働時間制を導入して勤務割を組んでいるからです。変形労働時間制は、1週間あたり40時間の原則に合致しているかどうかを、一定の労働時間算定期間の中で判断しております。よって、1週間あたり40時間の原則は厳しく見られ、1日8時間の原則は緩和されます。例えば、
このように、変形労働時間制を導入することによって、残業にならないような長時間勤務を組むことが可能となります。実際にタクシー事業は、1ヵ月単位の変形労働時間制を導入している会社が多いです。
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A8 1年単位の変形労働時間制は、1ヵ月を超え1年以内という長期間の労働時間を弾力的に調整できる制度です。夏季や冬季など季節によって特に業務が集中する時期がある会社、あるいは年間の事業計画の中であらかじめ年間における繁閑期がわかっている会社に向いています。しかし、1年単位の変形労働時間制を導入するにあたっては、労使協定により、変形期間における労働日と労働日ごとの労働時間を具体的に決めておく必要があり、会社が業務の都合で任意に労働時間を変更するような制度はこれに該当しません。 例えば貸切観光バス事業のように、業務の性質上1日8時間、1週間40時間を超えて労働させる日または週の労働時間をあらかじめ決めておくことが困難な業務、または労使協定で定めた労働時間が業務の都合によって変更されることが通常行われる業務については、1年単位の変形労働時間制は導入できません。
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A9 どのような理由があって無断欠勤をするのかわかりませんが、社会人として決して許されない行為です。しかし、いきなり解雇をするのは問題があります。まず、本人に出勤の督促をし、その記録(督促内容とその日付と時刻)を残してください。以下は出勤督促の手順です。
特に、一人暮らしの従業員の場合、病気にかかり自宅で倒れていることも考えられます。過去に当事務所で扱ったケースでは、会社の方が無断欠勤をしている従業員の自宅を訪問したところ、本人が蒲団の中で亡くなっているのを発見したケースもありました。
次に、手をつくすも本人と連絡がつかなかった場合ですが、本人が行方不明となってから解雇するのは難しいです。会社からの解雇の意思表示が本人に到達して、はじめて解雇できます。本人が行方不明のため、解雇の通告ができません。公示送達(書類等が送達できない場合に一定期間裁判所等の掲示板に載せること。公示送達すると伝達した扱いとなる)の方法によって解雇の意思表示をすることもできますが、手間がかかりますので現実的ではありません。就業規則に「無断欠勤が連続して14日以上に及んだときは退職とみなす」のような規定があれば、あらかじめ定めた一定期間が経過した際に、自動的に労働契約が解除されることとなります。なお、この場合でも、本人に支払うべき給与等(退職金を含む)は、本人が受け取りに来るまで会社で保管するか、法務局へ供託しておく必要があります。時効は給与が2年、退職金は5年です。
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A10 公休日というプライベートな時間でのことですので、会社の業種や本人の職種・地位で判断が異なります。また、飲酒の程度、交通事故の程度、会社の社会的評価に与えた悪影響および企業秩序に与えた影響の程度なども考慮して判断します。本人の職種が自動車運転業務でない場合、単に飲酒運転しただけで、即、懲戒解雇や通常解雇の処分は多少厳しい面があります。ただし、情状によっては譴責、減給、出勤停止処分の可能性はあります。しかし、バス運転士となると話は違います。「安全の確保が輸送の生命」であるバス会社にとって、大型第二種運転免許を所持する「プロのドライバー」であるバス運転士にとって、飲酒運転は絶対に許されないことです。会社としては、飲酒運転の禁止について就業規則や運転士作業マニュアルに記載のうえ、日々、運転士への教育・指導の徹底を図っているはずです。その中での飲酒運転および物損事故ですので、会社の社会的評価に多大な悪影響を及ぼし、大きく企業秩序を乱したこと等を理由に解雇することは可能です。
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A11 大企業であれば本人を配置転換させたうえで、本人の態度の改善具合や業務の適否を判断できますが、中小企業の場合は配置転換のしようがない場合が多いです。その場合は解雇もやむを得ないと思われます。しかし、即、解雇はできません。本人に対して注意、指導、警告の手順を踏む必要があります。何の指導等もせずにいきなり解雇すると、解雇の有効性について、会社と本人の間でトラブルが発生します。以下は、注意、指導、警告の手順です。
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A12 即日解雇の場合、本人が解雇予告手当を受け取ることによって解雇が成立します。会社としては本人がいつでも解雇予告手当を受け取ることができる状態―解雇予告手当の金額の提示、銀行振り込みであれば本人の口座へ振込み、現金払いであれば、いつでも本人へ渡す用意ができていること―にしておくことが必要です。後々トラブルになることが心配であれば、法務局へ解雇予告手当を供託しておきましょう。
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A13 本人には退職する権利がありますので、会社としては本人から提出された退職願を受け取るべきです。しかし、これはあくまでも本人が持っている「労働契約を終了させることができる権利」ということです。解雇日前に退職が成立しても、本人に対する懲戒事由が消えてなくなるわけではありませんので、会社は退職金を支払う必要はありません。
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A14 法律上、従業員本人またはその収入によって生計を維持する者が、1.出産、2.病気、3.災害、4.結婚、5.死亡、6.やむを得ない理由によって1週間以上にわたって帰郷、といった非常時の場合の費用に充てるために従業員本人から請求があったときは、給与支払日前でも給与を支払うこととなっております。しかしこれは、それまで働いた分に対する給与を給与支払日前でも支払うということであって、これから働く分に対する給与まで支払わなければならないということではありません。よって、会社が給与の前借に応じる必要はありません。
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A15 タクシー運転者の場合、様々な種類の手当と併せて、一律歩合給制、積算歩合給制、運賃収入還元制等の歩合給制度を導入している会社が多いです。各種歩合給制のうち、通達で廃止するように求められている歩合給制は「累進歩合給制度」です。累進歩合給制度とは、累進歩合給制よりも広い概念のもので、累進歩合給的な効果を生じる一切の賃金制度のことです。通達で廃止すべきとされているものとして、累進歩合給制(運賃収入等をその高低に応じて数段階に区分し、階級区分の上昇に応じて逓増する歩合率を運賃収入等に乗じて歩合給を計算する方式)、トップ賞(運賃収入等の最も高い者あるいはごく一部の者しか達成できない高い運賃収入等を達成した者への褒賞金)、奨励加給(運賃収入等を数区分し、その運賃収入等の区分に達するごとに一定額の加給金を支給)などがあります。累進歩合給制度を廃止すべき理由としては、次のことがあげられます。
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A16 法律上、「出来高払制その他請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金を保障しなければならない」となっております。保障給の額(一定額)について具体的な定めはありませんが、少なくとも平均賃金の6割程度を保障することが妥当とされております。これは、労働時間に応じ、各人の通常の賃金の6割以上の賃金が保障されることを意図したものであって、6割以上の固定的給与を設けなければならないということではありません。また「通常の賃金」とは、原則として各人の標準的能率で歩合給の算定期間における通常の労働時間を全て勤務した場合に得られる賃金額を言います。労働時間に応じた保障給は次の式により算定します。
| 1時間あたりの保障給 | =通常の賃金/算定期間における通常の労働時間×60% |
|---|
実務的には
| 1時間あたりの保障給 | =過去3箇月の期間に支払われた賃金/その期間の延総労働時間数×60% |
|---|
*上記賃金には時間外労働手当および休日労働手当を含み、臨時に支払われた賃金および賞与を除きます。
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A17 固定給部分と歩合給部分に分けて1時間あたりの賃金額を計算し、割増率を乗じ、それらを合算します。深夜時間帯(午後10時から午前5時まで)にかからない通常の時間外労働に対する割増率は25%です。
| 固定給部分の時間単価(A) | =固定給÷月平均所定労働時間数 |
|---|
| 歩合給部分の時間単価(B) | =歩合給÷その月の総労働時間数 |
|---|
| 深夜時間帯にかからない場合の割増賃金 | =(A×1.25+B×0.25)×時間外労働時間数 |
|---|
固定給部分の時間単価には1.25を乗じますが、歩合給部分の単価には0.25を乗じます。歩合給の場合、1.25のうち1.0の部分は歩合給に含まれているため、残りの0.25の部分だけを追加払いをすることとなります。
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A18 年次有給休暇の際に支払うべき賃金として、1.平均賃金、2.所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金、3.健康保険法による標準報酬日額に相当する金額(この場合は労使協定が必要)、のいずれかから選び、あらかじめ就業規則等で規定しておく必要があります。
年次有給休暇の際の賃金を「通常の賃金」で支払う場合は、固定給部分(A)と歩合給部分(B)に分けて1日あたりの賃金額を計算し、それらを合算します。
| 固定給部分(A) | =固定給÷月平均所定労働日数 |
|---|
| 歩合給部分(B) | =賃金計算期間に支払われた歩合給総額÷当該期間の総労働時間数 ×当該期間の1日平均所定労働時間 |
|---|
なお、年次有給休暇を取得した賃金計算期間に歩合給が発生していない場合、その期間の前の歩合給が支払われた最後の賃金計算期間をもとに歩合給部分を計算することとなっておりますので、注意が必要です。
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A19 定期健康診断は従業員の健康管理のために実施し、労働安全衛生法で定められているものです。会社には定期健康診断の実施義務があり、従業員には受診義務があります。会社が定期健康診断を行わない場合、罰則の適用がありますが、従業員が定期健康診断を拒否しても罰則の適用はありません。しかし、会社としては、再三の健康診断受診勧告に従わない従業員に対して、職務命令違反を理由に譴責、情状によっては出勤停止や減給の処分を科すこともできると思われます。
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A20 改善基準告示では、ハイヤーについて「一般乗用旅客自動車運送事業の用に供される自動車であって、当該自動車による運送の引受けが営業所のみにおいて行われるものをいう」と定義しております。これは、タクシー業務適正化臨時措置法第2条第2号の規定を参考としているものです。改善基準告示におけるハイヤーは、地方運輸局長からハイヤー運賃の認可を受けた自動車のことをいいます。ハイヤー運賃の認可が行われている地区は、札幌市、東京都、千葉市、横浜市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、奈良市、広島市、那覇市などです。
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